いしぐろ ゆうこ (国画会準会員)
大学を卒業後、織を学びたいと八重山上布の新垣幸子氏のもとで糸・染色・絣・織について学び、その後、神奈川で紬織の制作に入る。
苧麻の織物を学ばれた後、紬織をされているので絣のキレが美しく地風もふっくらと柔らかい。
石黒氏はとても熱心で常に新しい事にも挑戦されている。
デザインに沿った配色はどうか。絣を使いながら独自の作風を作り上げるにはどうすべきか。など一点ずつの物づくりにじっくりと時間をかけて制作されている。
略歴
1961年 神奈川県に生まれる
1984年 玉川大学文学部 教育学科卒業
1991年 5年間 新垣幸子先生に師事(八重山上布)
2009年 国画会 初入選
2013年 国画会「新人賞」受賞
2015年 国画会準会員となる
現在 神奈川県秦野市にて絹(紬)織物の制作を行う

着物
「黄地・変わり十字三釜」
染料:楊梅・紅梅・藍
経緯共に紬糸を用いて柔らかくふっくらと織り上げている。
経緯絣での表現であるが絣足を効果的に出しつつ、各々の色が美しく組み合わせが洒落た雰囲気の作品。

男物着尺
「濃グレー地・千筋」
染料:椎
着物同様の糸使いである。
椎染の濃淡による細い縞は遠目には無地に見えるが繊細な感覚である。

九寸
「白茶地・錆朱グレー絣市松」
染料:楊梅・茜・梅
経緯絣で市松に織り上げた名古屋帯。
絣あしを上手く出し、柔らかな柄の構成に仕上がっている。