まえしろ おきしげ (日本工芸会正会員)
琉球美絣として、父である興盛氏・母の喜久江氏より家業を受け継ぐ。
沖縄の絣を基本に無限の美しさを表現されたいとの想いで独自の絣での表現、また縞の美しさも追及された作品を制作されている。
素材も木綿・絹・絹駒糸などを使い、それぞれの特徴を生かしたデザイン、作風の表現をされている。
興茂氏は伺った折には、ゆっくりと時間を取って頂き色々な会話をして頂く。
交友関係も広く、違った工芸の話なども楽しくしてもらう。
略歴
1955年 那覇市安里にて生まれる
1974年 首里高校卒業
1978年 名城大学商学部卒業
家業の染織業に従事
1983年 沖縄タイムス社「沖展」にて沖展賞を受賞
1984年 「沖展」奨励賞受賞
1985年 沖縄県工芸公募展 優秀賞受賞
「沖展」奨励賞受賞 準会員推挙
西部工芸展 初入選
1986年 「沖展」準会員賞受賞
1987年 沖縄県工芸公募展 優秀賞受賞
那覇市より本部町伊豆味へ移転「美絣工房」開設
1989年 「沖展」準会員賞受賞 会員推挙
アメリカワシントン州 100周年記念事業「沖縄の染織展」に出品
現地にて展示指導、作品解説
1991年 福岡市民ギャラリーどいさぎにて個展
1982年 沖縄タイムス芸術選賞 奨励賞受賞
1993年 フィリピン、ミンダナオ島において高機による製織技術指導を行う
1984年 青年会議所主催 オキナワTOYP大賞 優秀賞受賞
日本伝統工芸展 初入選 文部大臣賞を受賞(受賞作品 文化庁買い上げ)
1995年 西部工芸展 金賞を受賞
東京成増シモダギャラリーにて3人展
1996年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞 受賞
日本工芸会正会員に認定される
平成8年度 文化庁日本工芸会主催
重要無形文化財「羅」伝承者養成研修会参加
講師 重要無形文化財保持者 北村武資先生
実業之日本社発行 小島直紀著「遠い母」装画担当
1997年 平成9年度「羅」伝承者養成研修会参加
1998年 沖縄タイムス芸術選賞 大賞受賞
1999年 東京銀座 フジヰ画廊にて個展
NHK、NHKプロモーション主催
日本の工芸「今」100選 フランス、パリ展に出品
2000年 浦添市美術館にて、沖縄の美「技と心」伝統工芸展に出品
2002年 京都池坊短大むろまち美術館にて「うすはたの会」出品
2003年 西部工芸展 朝日新聞社大賞受賞
沖縄タイムス主催 浦添市美術館にて個展
2004年 沖縄タイムス 文化面コラム執筆
2005年 西部工芸展 QAB琉球朝日放送賞受賞
イギリス・ロンドン・ダイワジャパンハウス「うすはたの会」出品
2007年 浦添市美術館「アジアファイバーアート展」出品
2009年 九州国立博物館「伝統のいま 伝統と創生」出品
2010年 日本伝統工芸染織展 山陽新聞社賞 受賞
2013年 東京国立近代美術館 工芸館「工芸からKOUGEIへ」出品
民族衣装文化功労者 きもの文化賞 受賞
2015年 沖縄県立芸術大学 工芸専攻織分野 教授に就任
2017年 沖縄県立芸術大学付属図書館・芸術資料館「沖縄・台湾芸術大学交流展 2017」出品
2019年 石川県輪島漆芸美術館「沖縄の工芸」出品
2021年 沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館 沖縄県立芸術大学美術工芸学部「退任記念展」
沖縄県立芸術大学 教授を退任
2024年 伝統文化ポーラ賞 地域賞を受賞
現在―沖展会員・日本工芸会正会員・沖縄タイムス芸術選賞選考委員・沖縄民芸協会副会長

琉球美絣・駒上布着物
「笹舟」
染料:琉球藍・福木・楊梅
黄と緑の経糸に緯糸での変化を付けて、川面にそよぐ笹舟を表現。

琉球美絣・木綿・着尺
「蒼海」
染料:琉球藍
経絣で波の飛沫を表し、藍の緯糸のグラデーションを添えて水平線を表現。

琉球美絣・絹地・着尺
「春霞」
染料:福木・楊梅
黄と茶で肌寒い季節から、やっと訪れた春の穏やかな光・風・情景を表現。

琉球美絣・駒上布帯地
「則」
染料:福木・楊梅・相思樹・インド茜
大中小の緯段の規則正しいリズムが経縞と響きあう織色を表現。