しのはら てるよ (日本工芸会正会員)
人間国宝であった、故・鎌倉芳太郎氏の唯一の弟子である。
鎌倉氏は琉球紅型「おぼろ型」を研究され途絶えてしまった技法を独自のものとされた。
その技法を継がれ、現在は篠原氏の「おぼろ型」として、すべての工程をご自身で制作され現代感覚の作品を制作されている。
「おぼろ型」とは、二枚以上の型紙を用いておぼろげに見える所からこの名が付いた。
手間と時間と細心の注意が必要な技法であり、現在はお嫁さんの優子氏にその技法を伝えられている。
略歴
1928年 東京都に生れる
1964年 鎌倉芳太郎氏に師事(重要無形文化財保持者)
(1983年死去まで師事)
技術伝承者として文化庁に登録
日本画を故望月春江氏に師事
1973年 日本伝統工芸展初出品入選
1976年 日本工芸会正会員
日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞受賞
日本伝統工芸染織展 東京都教育委員会賞受賞
日本伝統工芸新作展 日本工芸会会長賞受賞
鑑審査委員・無鑑査特待
日本工芸会神奈川会副会長
1989年 ニューヨーク・メトロポリタン美術館収蔵される
2022年 逝去

おぼろ型染・着物
「映」
染料:顔料
地紋に草花摸様、上紋に花と鳥を配し、鳥が花畑を飛び交っているかの様子を表現。
生地の白を最後まで美しく保つのが難しいが、その白が綺麗に全体をまとめている。

おぼろ型染帯
「グレー地・笹格子に小花文」
染料:顔料
細かな線で草花を配し小花と雪持ち笹を藍を主に、可愛らしいデザインでありながも格調のある作品へと仕上げられている。