手仕事アヰ工房

てしごと あゐこうぼう

「手仕事アヰ工房」として、首里織の組合に属しながら同じ気持ちで創作されているグループ。
お互いに切磋琢磨しつつ、より良い作品づくりを目指し頑張っておられる。
各々の作風に特徴があり、形に拘らず首里織の品格を意識しながら絹を中心にしながら異素材も取り入れたり、デザインの創意工夫などをなさっている。
個人としての作風が確立され、楽しい物づくりを感じさせてくれる。
上江田氏はグループをまとめられている方で、いつも伺う折には穏やかな雰囲気で会話が進む。
作風はコントラストのある感覚から繊細な感性のものまで制作される。


略歴

■上江田ひとみ
1956年 沖縄県生まれ
1981年 琉球絣会館にて研修
1982年 沖縄県工芸指導所にて研修
1983年 手仕事アヰを設立
1986年 那覇伝統織物事業合同組合 加入
1988年 西部工芸展 入選
1992年 沖展 入選
1993年 那覇伝統織物事業協同組合 監事
1994年 伝統的工芸品展 会長賞(伝統的工芸品産業振興協会)
     西部工芸展 入選
1995年 那覇伝統織物事業協同組合 理事
1997年        〃     副理事長
1998年 那覇市伝統工芸館まつり 奨励賞
2001年 那覇伝統織物事業協同組合 副理事長(2006年まで)
2006年 沖縄県工芸士認定(第48号)
2007年 那覇伝統織物事業協同組合 理事


■川村早苗
1953年 沖縄県生まれ
1977年 奄美大島で大島紬を勉強
1979年 沖縄県工芸指導所(織物)入所
1980年 久米島紬玉城工房
1987年 青森県展入選
1988年 河北展入選
1996年 織り三昧(グループ展)参加(一年半に一回 青森県)
     染・織・漆「美るわしき うるま島の技展」
2003年 (沖縄市プラザハウスギャラリー)
2006年 西部工芸展入選


■玉城恵子
1983年 沖縄県婦人就業センター織物課 3ヶ月研修
1983年 沖縄県工芸指導所 1年研修
1984年 多和田工房(多和田 淑子)6ヶ月研修
1984年 自宅にて織物を始める


■玉代勢あけみ
1981年 玉城工房(玉城カマド)入社
1982年 沖縄県工芸指導所 6ヶ月研修
1985年 玉城工房退社
1988年 織物工房 彩優(玉城 毅)入社
1997年 織物工房 彩優 退社
1997年 織物工房 開設
1999年 西部工芸展 入選
2000年 那覇伝統織物事業協同組合 入会
2000年 那覇市伝統工芸館まつり 市長賞(那覇市)


■上原初子
1985年 織物工房 彩優(玉城 毅)入社
1993年 沖縄県工芸指導所 3ヶ月研修
1998年 織物工房 彩優 退社
1998年 沖縄県工芸指導所 6ヶ月研修
1999年 自宅にて織物工房開設


■神谷恵子
1983年 彩優 就職
1987年 沖縄県工芸指導所にて花織を習得する
2001年 彩優 退職
     自宅にて工房を設立
2003年 那覇伝統織物事業協同組合 加入

上江田ひとみ作
首里花織・九寸
「薄緑崩し地・菱市松文・全通」
染料:南天・桑

経糸は薄緑の濃淡の細い縞で、緯糸は花織で浮かす色糸に変化を出す為に象牙色・薄紫・紫の三色を崩し段に構成し全通で織り上げ、より格調のある作品に仕上げている。


上江田ひとみ作
首里花織・角帯
「緑地・濃淡縞・変り菱文」
染料:椎・渋木

生地巾を五寸四分で織って頂き、半分に仕立ててリバーシブルで使用出来るようにデザインを構成して頂いている。
生地も絹糸の質感が感じられる様にと九寸よりも太目の糸にし、芯を入れずに仕立てて良い具合に織って頂く。



川村早苗作
首里花織・九寸
「黒×グレー崩し地・変わり菱文」
染料:椎

経糸・緯糸共に黒とグレーの二色を崩しの構成で大小の市松に構成し地紋を浮かす花織で様々な菱模様を織だし、黒とグレーの模様で立体感を出している。
モノトーンであるが、凛とした感性の作品に仕上げている。


玉城恵子作
首里花織・男物・着尺
「ベージュ地・藍小格子」
染料:月桃・椎

男女どちらでも着用出来るように生地巾を一尺五寸で織って頂く。
絹糸も花倉織で使用されるくらい細い糸で織り上げている。
ベージュ地に藍の小格子で、縦に少し長いデザインにしており、地風を作るように小さな菱模様を花織で織り出している。


玉代勢あけみ作
首里花織・九寸
「オレンジ濃淡格子に小花文」
染料:福木・桜

経糸・緯糸共に単衣でも使用出来る様に細い絹糸を用いている。
オレンジの濃淡とベージュで大きな市松の構成に、小さな花模様を花織で織り出した作品。
太鼓と前柄部分に生地巾の中心ですくいで織り分け、織で濃淡をより強調し、動きのある構成にされている。