菊池 洋守

きくち ひろもり

伺った頃から織りの事など色々と丁寧に教えて頂いた。仕事熱心で、休みなく制作されている。
伺う度に、色々と考えてきた事を聞いてもらい、相談しながら制作頂いてきている。
奥様と三人で楽しい会話の中から、新しい作品が生まれる事もある。
草木染と化学染料を併用し、様々な織組織を用いて独自の地風を作り出されている。
格調高く繊細な感性の作品である。


略歴

1940年 八丈島生まれ
     中学を卒業後、すぐに柳悦博氏に師事
     住み込みで7年間修業を続ける
1962年 八丈島で独立

白洲正子氏がなさっていた「こうげい」の店に作品を納品
片野元彦・浜田庄司・芹澤銈介・古澤万千子などと交流を持つ
駒場の日本民藝館に、数年に渡り出品

着尺・小柳市松織
グレー無地
染料:デルクス染料

綾織の表裏で市松を構成した織り方。
光沢があり無地でも、より高級感のある着物である。


着尺・経吉野織
「グレー地・紫子持ち縞30釜」
染料:デルグス染料

吉野格子織の経のみで構成した織り方。
組織の部分に色を用いて繊細な感覚に仕上げている。


着尺・市松織
「グレー地・濃グレー格子」
染料:デルクス染料

菊池氏の作品では一番多い織り方。
市松織でも、柄の構成によって大きさを変えて制作。
地風も少しずつ違ってくる。


着尺・吉野格子織
「焦茶地・黒千筋」
染料:カテ キュー・ロッグウッド・栗皮

吉野格子織で織りの表情を付けている。
感覚的にも繊細である。


着尺・丸マナコ織
「黒無地」
染料:カテ キュー・ロッグウッド

綾組織の織り方の一つで、小さな菱形の地紋である。無地感覚に見えるが柔らかな表情で品格のある織り方である。