土屋 順紀

つちや よしのり (重要無形文化財技術保持者)

土屋氏は志村ふくみ氏の弟子の中で唯一男性の方である。
制作される作品には紬織・生絹・紋紗などがある。
共通しているのは、色がとても美しく作品の表現の中で様々な自然の美しさを表現されている。
「能」や「歌舞伎」がお好きで、よく京都に来られる。
そんな中で繊細で美しい作品が生まれて来るのではと思う。
穏やかな方で、いつも話をしていて優しさを感じる。


略歴

1954年 岐阜県関市に生まれる
1978年 京都インターナショナル美術専門学校卒業
     志村ふくみ氏(人間国宝)に師事
1996年 第43回日本伝統工芸展 日本工芸会総裁賞
     平成8・9年度重要無形文化財「羅」伝承者養成研修会に参加            北村武資氏(人間国宝)に師事
2006年 第53回日本伝統工芸展 文部科学大臣賞
2009年 個展(和光並木ホール)
     紫綬褒章受章
2010年 重要無形文化財「紋紗」保持者に認定
2011年 「土屋順紀 紋紗―美濃を織る」展(関市立篠田桃紅美術空間)
2013年 「第2回金沢・世界工芸トリエンナーレ 工芸におけるリージョナルなもの」(金沢21世紀美術館)
     「工芸からKOGEIへ」(東京国立近代美術館)
2014年 「人間国宝展」(東京国立博物館)
2020年 「工藝 2020―自然と美とかたち―」(東京国立博物館)
     「特別展 きもの KIMONO」展(東京国立博物館)
2021年 「土屋順紀の美」展(関市立篠田桃紅美術空間)

紋紗・九寸
「花径」
染料:紫根・インド茜・刈安・葛・臭木(銀砂子糸)

細やかな紋紗の構成にね様々な色糸の縞に銀砂子糸を併用して織られている。
一斉に咲き乱れている花々の小路を歩いているかのように、心が浮き立つ感覚の作品である。



紋紗・九寸
「夏陰」
染料:刈安・藍・ 団栗

夏の日差しを大きな木々が受け止め、優しい光にして木陰を作ってくれている。
その様な情景を絣で五段階に染分けた経ずらし絣を三色の構成で表現。